宝塚辞典

●タカラヅカ、ヅカ
宝塚歌劇団を略して、こう呼びます。

●タカラジェンヌ
宝塚歌劇団団員のことです。
「タカラジェンヌ」はパリジェンヌをもじったもので、小林一三の発案で生まれたそうです。
ファンは「ジェンヌさん」などと呼んでいます。
誕生日の公開はありますが、年齢は非公開です。

あ行

●愛称
あだな・呼び名のこと。
本名や芸名が由来のものがほとんどです。

●入り待ち
楽屋入りするスターを見るため、開演前に楽屋口で待つことです。

●エトワール
フランス語で星の意。フィナーレの最後に出演者が順番に階段から降りてくる際、最初に歌う歌手のこと。
歌唱力に秀でたソプラノの娘役が一人で務めることが多いです。
エトワール経験後に「夢が叶った」と退団を決める方もいるほど、娘役にとっては憧れの一つだそうです。

●大階段(おおかいだん)
だいかいだんと読み間違われることがありますが、正しくはおおかいだんです。
1927年9月の日本最初のレビュー『モン・パリ』で導入されたのがはじまりで、現在は舞台全体を使った26段、一段の幅24cmの舞台装置として登場しています。
公演の最後(フィナーレ)は出演者が大階段を降りながらパレードを行うのが通例ですが、ショーのプロローグなどでセットの一部として用いるケースもあります。

●オーケストラ
宝塚大劇場と東京宝塚劇場には舞台前面と銀橋(エプロンステージ)の間にオーケストラボックスがあり、生演奏されています。

か行

●会
団員個人に対する私設ファンクラブ(劇団非公認)を指す呼称のことです。
揃いの服・小物を身につけ整列して楽屋入り出待ちを行っています。
生徒を招いたトークイベント(お茶会)の主催などの活動をしています。
公式後援会は「宝塚友の会」「愛宝会」などが存在します。

●カゲコーラス、カゲソロ
舞台上に出ず、コーラスボックスで歌います。
録音ではなく、生の音声を使います。

●銀橋(ぎんきょう)
宝塚大劇場と東京宝塚劇場のオーケストラボックスと客席の間にある、丸みだかったステージ(エプロンステージ)のことです。
銀橋でソロが歌えるのは限られたスターのみです。

●教室
稽古場のことです。

●キャトルレーヴ
宝塚歌劇団オフィシャルグッズの販売店です。
宝塚大劇場と東京宝塚劇場に隣接しています。
全国に5店舗(宝塚店、東京劇場店、日比谷店、梅田店、福岡店)あります。
公演チケットがなくても商品の購入は可能です。
取扱商品は、公演パンフレット、機関誌である『歌劇』『宝塚GRAPH』やその他歌劇団の機関誌、写真集、スターの舞台写真やプロマイド、公演関連グッズ、宝塚オリジナルグッズ、トップスター監修グッズ、公演やスター関連のCD、DVDなどたくさんの種類があります。

●組
1921年、年8回公演にするため、第1部、第2部に分け、第1部を「花組」、第2部を「月組」と名づけられました。
1924年に大劇場が生まれ翌年から年12回公演を実施するため「雪組」を新設。
1933年7月には東京宝塚劇場の開場にそなえ「星組」を設置し4組に。
戦時中の1939年に星組が廃止され、戦後は3組で再開されましたが、1948年に星組復活。1998年1月には、65年ぶりに第5の組「宙組」が発足し、現在は5組体制となっています。

●組長
各組に組長、副組長がいます。
組の最上級生で、組の生徒達(組子)の指導者として公私の面で面倒をみている方です。

●芸名
創立当初、劇団員の芸名は百人一首にちなんだ名がつけられていましたが、現在は劇団員が自由につけています。本名は芸名に使用できません。
例外はありますが、過去にタカラヅカにあった芸名と被らないようになっています。
2~3案、劇団に希望を提出し、採用された芸名が使われるそうです。

●研究科
宝塚音楽学校を卒業して歌劇団に入団した時に研究科1年となり、翌年は研究科2年生となります。劇団の在籍年数のことです。略して「研1」「研2」と呼びます。

●口上
舞台生のお披露目や、新年最初の公演時等の改まった行事に、舞台上から皆様に挨拶して頂くことです。

さ行

●サヨナラショー
トップスターやトップ娘役が退団する本公演のあとで、行われるショーです。
その退団者の思い出の場面を再現したショーで構成されます。
トップスターの退団の場合は千秋楽とその1つ前の公演(前楽)、それ以外の場合は千秋楽に行われます。

●シャンシャン
フィナーレで出演者全員が手にする小道具のことです。「シャンシャン」と音がするところから名付けられたそうです。

●新人公演
本公演の演目を、新人のみで上演する公演のことです。
宝塚大劇場と東京宝塚劇場それぞれ1回行なわれ、本役さんの衣装を借りて上演します。

●すみれコード
劇団の品格を損ない、観客の「夢」を壊す内容は公表されません。
例えば、本名・年齢・給料などの現実的内容が禁じられています。
過去、宝塚音楽学校の文化祭は、かつてはパンフレットに芸名と本名が併記されていましたが、現在は本名のみが掲載されています。

●生徒
宝塚音楽学校卒業後、宝塚歌劇団に入団してからも、在団中はすべて「生徒」と呼ばれます。

●先生
演出家のことです。

●専科
花・月・雪・星・宙のどの組に属さず、必要に応じて各組の公演に特別出演するスペシャリスト集団のこと。

た行

●宝塚音楽学校
宝塚歌劇の出演者を養成する学校で、宝塚の舞台に立つためにはこの学校を卒業しなければなりません。
予科、本科の2年制で、受験することができるのは中学校卒業~高校卒業までの4回のみ。入学定員は40名です。

●タカラヅカ・スカイ・ステージ
2002年7月に開局された宝塚歌劇専門チャンネル(有料)です。
過去の舞台放送を中心に、多彩なオリジナル番組で宝塚歌劇の最新情報やスターの素顔から舞台裏まで1日中楽しめます。

●TAKARAZUKA1000days劇場
東京宝塚劇場の建替え期間中の仮設劇場です。
この劇場で1998年5月30日~2000年12月13日まで約1200公演を行われました。

●宝塚大劇場
旧劇場は1924年竣工され、1992年11月24日で68年5ヶ月の歴史を閉じました。
1993年1月1日に新劇場がオープン。客席は2層で合計2527席。
2005年に1階席最前列(中央部)を23席増設し、現在の客席数は合計2,550席となっています。

●宝塚友の会
1934年12月に宝塚歌劇団発行の雑誌の普及を目的として作られた会です。
2001年1月にリニューアルし、SS席の販売や会員先行販売などの特典があります。

●宝塚バウホール
宝塚大劇場に隣接して1978年に開場した客席数約500の小劇場です。
バウ(BOW)は船のへさきを意味し、新しい時代のさきがけとなるようにとの願いが込められています。
30名程度の小編成で公演やコンサートなどを行なっており、若手がこの劇場で主役をすると路線に乗ったと囁かれています。

●宝塚ファミリーランド
阪急電鉄経営の遊園地で、創業は1911年5月1日。
最初は浴場が中心で「宝塚新温泉」という名で親しまれていましたが、1960年3月20日に「宝塚ファミリーランド」と改称。1993年からは歌劇のチケットで入園できるようになりました。残念ながら2003年4月7日をもって営業を終了しています。

●出待ち
終演後、スターが楽屋から出てくるのを待つことです。

●東京宝塚劇場
旧劇場は1934年1月開場し、戦時中の1944年3月に閉鎖されました。
戦後は連合軍に接収され「アーニー・パイル劇場」と呼ばれていましたが、1955年に接収解除され公演が再開されました。
1997年12月に建替えのため閉場し、 2001年1月1日、2069席の新・東京宝塚劇場として再オープンしています。

な行

は行

●初舞台
宝塚大劇場の春の公演で、披露口上とラインダンスで初舞台を踏むのが恒例です。

●花のみち
阪急宝塚駅前から大劇場方向に延びる一段高くなった遊歩道。
お客様を見下ろしてはいけないという理由から、生徒は、この道を通ってはいけないそうです。

●花道
舞台の左右、客席の前の通路部分をいいます。
かつては歌舞伎のような客席を通過する花道が存在していましたが、銀橋の誕生によって消滅しました。

●羽根
タカラヅカには欠かせない衣装の装飾。
トップスターが背負う羽根はオーストリッチなどの豪華な羽根素材で出来ており、重いものでは数十キロに及ぶものもあるそうです。
初めて見ると、「わー」と声が出ます。

ま行

●緑のハカマ
黒紋付に緑ハカマが、宝塚歌劇団と宝塚音楽学校生徒の礼装。

●ムラ
兵庫県宝塚市の宝塚歌劇団の本拠地「宝塚大劇場」がある地域のことです。

や行

ら行

●ラインダンス
一列になって踊るダンスのことで、「ロケット」とも言います。
1927年日本初のレビュー「モン・パリ」で初めて登場しました。

●路線
トップスター候補生を指す呼称で、新人公演・バウホール公演の主演と成功などが必須条件となっています。